少し黄ばんだ表面に
容赦なく叩きつける
春の雨は優しくあり
群れ骨群れ骨群れ骨群れ骨
矮小な讃の残渣と赤血球が
反乱を起こした辛辣な春が
今年もやってきたのですね
群れ骨を掬う者も救う者も
其れに巣食うものもおらず
痛みすら与えられない孤独
優しさとは時として残酷だ
この哀れな群れ骨に血肉を与えてくれ
寒さと虚無に震える目蓋を撫でてくれ
そんな願いは身勝手と切り捨ててくれ
(その手で触れてくれたら
崩れてもいいと思えるの)
ジグソーパズルみたいに群れ骨は
思考を忘れて夢を見るカルシウム
群れ骨に好き放題にぶつけられた
さくらピンクよりなお甘い同情が
からんと音を立てた街角に転がる
私は己の無神経さに
せめてより糸を使い
名前を刺繍したくて
銘ずべき名前を忘れ
全て春のせいにして
全て人のせいにして
わ た し は わ る く な い
そこまで縫ったら群れ骨が
この嘘つきと貶してくれた
もうずっと一緒だもんなあ
これからも一緒だもんなあ
春だから仕方ないよと笑う
群れ骨に心からの憐憫をば
優しくなんてなくていいから