短歌 兎

1
もしもまた恋に落ちたら一番にハシゴ担いで来てくれますか

2
抜け殻を集めてまわる趣味のひと午後5時ごろのニュースになってた

3
眠らない眠りたくない眠れない いずれにしてもあなたのせいだ

4
水蒸気みたいに未練が消えたならいいな今日はひとりのシャワー

5
ライオンも寂しかろうね青空はおんなじなんて嘘をつかれて

6
血まみれのあたたかさなら知っているはずだあなたも生まれたなら

7
月の裏まで連れていけ兎どももうこれ以上独りにするな

8
白線を選んで踏んで踊るきみその生き方は悲しくないか

9
ため息が幸せ呼ぶと知ってからあちらこちらに薔薇が咲いてる

10
別れぎわ「またね」がなくてLINEすることもためらう私は兎