短歌 朝

1
モーニングコールで起きないきみのため時計仕掛けのタライを吊るす

2
夢のなかで誰となにしていたのかと8年経っても嫉妬している

3
目覚ましににナンバーガールかけるきみの朝の不機嫌の理由はそれ

4
目玉焼きのかたさの好みが違うのは朝の支度の妨げとなる

5
生卵、実はお前が羨ましい 壊れてからも必要とされ

6
葉桜にやっと会えたというきみのそういうところがずるいんですよ

7
点としてこの宇宙に居られるのなら呼吸ができることにも感謝

8
チューイングガムを膨らませるのが下手なんだからどこにも行っちゃだめ

9
みそ汁に豆腐を入れたら驚くの? きみの平穏は壊れものか

10 
ホームセンターが再開したときのためタライのパンフレットがほしい