短歌 色彩

1
太陽を赤色で描く子どもらの瞳に映るはじめての嘘

2
「本当に削除しますか?」の画面に選択肢が「はい」と「Yes」しかない

3
風を受けはためくTシャツの裾っこを触ってもいい季節ですよね

4
不安から恐怖に変わる瞬間の青い光に見とれてました

5
プログラムエラーだろうかきみがいま手にかけたのは私のこころ

6
肉じゃがが得意料理と笑うきみ どこかへ旅に行きたい私

7
ゆりかごを燃やしましたと告白をされても困る 私も同じ

8
曇天を彩るために流す血をたどれば見えるきみのほんとう

9
媚びるため咲いているわけじゃないから踏まれても美しいのか

10
滅びたらそのあときっと花が咲く あかあおきいろぴんくむらさき