短歌 家電

1
扇風機に「あー」と向きあうきみをそろそろ火星人が迎えにくる

2
ペアリングできない機器ももしかして孤独なんかを知るのだろうか

3
前髪の分け目を変えた朝なのにきみは生きるのが下手なままか

4
花柄と水玉が好きだといえずヒョウ柄を着てるうちのオカン

5
洗濯機の底から五百円玉を見つけたけれど紙幣のほうだ

6
冷蔵庫は暗くて冷たい場所だから呼吸するのに適しているね

7
テレビにも優しくうなずき涙まで流してみせるきみも嘘つき

8
Wi-Fiもモバイル通信もできない場所で星をつくろう

9
ポケベルに1112324493って打ち込んで武蔵野線までダッシュした日々

10
スマホにはできないことがあるがゆえ人は神にはなれないらしい