梅雨

雨音のスタッカートに踊る恋

ソーダ水躊躇が喉を下りてゆく

濡れそぼり仰ぎ見る天のモノクロ

蜘蛛の巣も宝石になれ垂れ滴

雨傘をくるりくるりとゆるむ頬

葉の裏のカタツムリこそド根性

長電話すっかり雨もやんでおり

ふくよかな母のてのひら梅雨の雲

きみの顔ビニ傘越しに観察ぞ

大雨ののち訪れる初恋よ