短歌 予報

1
今日はまだ一人でいたい気分なの豪雨予報はいつも外れる

2
予報には誰かが降ると書いてありたぶん私のことなんだろう

3
低気圧ばかりが胸に去来してしととまぶたを濡らしてばかり

4
涙よりしょっぱいものがあるものか人はそれらの貯蔵庫である

5
逆時計回りする羽を見つめ先に失神したほうの勝ち

6
改札へ向かうひとの中には必ず殺人鬼が紛れるから街

7
合い挽きの残酷性はさておいてハンバーグなら私の好物

8
なぜ骨というのか傘は折れたならもう歩けない気がするじゃんか

9
二人称「あなた」になったその日から世界で一番の臆病者だ

10
鱗粉を撒き散らすように容赦ない愛情詰まるしそハンバーグ