短歌 蝶々

1
蝶々がひらりひらりと好き・きらい 占うためにむしりむしりと

2
命とは思えないほど美しく命とは思えないほどに儚い飛翔

3
翅があればどこでも行ける気がしてた虫かご埋める元いのちたち

4
薔薇さえも朽ちるを知って手の中で欲しがることを諦めている

5
とげのない花だからこそ美しく凛とあるまま愛されてゆく

6
確実に手折る秋桜 悲しいと誰かのせいにしたくなるから

7
愛してるのは構わないそれよりも先週貸した千円返せ

8
すすきどもからから笑う川辺では孤独はポイ捨て禁止らしい

9
きみはまだ矛盾に気付いていないのか収録済みの「緊急検証!」

10
黒鍵に触れる指先にみとれて気づけばピアノになってた 弾いて