短歌 イルミネーション

1
まんなかにふたりの指が交差して寂しさ埋めるイルミネーション

2
街角のイルミネーションまた少し息が苦しい綺麗なだけで

3
明滅のイルミネーションに隠れて笑ったきみの出すSOS

4
広告によく知らない有名人 イルミネーションの端は暗い

5
電球のひとつひとつが眼球に見えるふたりの小さな正義

6
祈りには電飾よりも焼きたてのパンの香りが似合うと思う

7
横顔が好きだと気づく横にいることが好きなのだと思い知る

8
イルミネーション許されて生きていることを忘れて生きる人々

9
もしきみと願いをひとつ消せるならポーラスターに幕を下ろそう

10
本当に暗いところは照らさないイルミネーションのほんとのところ