短歌 輝き

1
手に入れたとたん輝き失くすから大事なものは遠くから見る

2
苗字から下の名前になった日の胸の痛みを日記に残す

3
口ぐせを笑ってくれた人がいて冬の空にも虹が架かって

4
今度いつ会えるかなってLINEして既読を待てずクッションを抱く

5
涙とは小さな海とされておりいつも私は救助の日和

6
流星が降る夜となりにきみがいて手を繋いだらあの子に会える

7
静脈の青さいずれは地に還るときも私の好きな色であれ

8
夜つめを切るとき思い出す人が涙の理由になるんだろう

9
もし悩みがなくなったらそのことを思い悩むと悩むのだろう

10
風まかせ信号も青寄り添って歩幅合わせる日々の輝き