論客R氏が腕試しに
青い瓶の中身を知りたがり
詩人D氏が立腹して
それは野暮だと吐き捨てる
主宰W氏は円卓にて
ほくそ笑みながら足を組む
R氏が求めるのは日常からの脱出方法
D氏が詠うのは牛肉へ捧ぐ鎮魂歌
W氏はぺろりとフォークを舐める
R氏がD氏を論駁する
D氏がW氏に詩を贈る
W氏が二人に最高のもてなしをする
円卓の傍らに
秋の亡骸
「冬に背後から刺されたのである」とR氏
「秋はこころのままに逝った」とD氏
「ワインをいかが?」とW氏
R氏は他人の批評しかしないので
D氏に嫌われる
D氏は自分の話しかしないので
R氏に疎まれる
W氏はテーブルクロスをなぞる
「意味がわからない!」とR氏
「何を当たり前のことを」とD氏
「この夜を越えたいですか」とW氏
この中に一人だけ嘘つきがいます
秋を葬った犯人です
i.e.(Rain,Days,Wind)