短歌 ゆれる

1
ゆれるゆれるゆれるゆれるゆれる(存在をさせていただいております)

2
おくすりをもらいにゆく日許可されてもう一ヶ月生き延びてみる

3
八月は今も苦手だ終わるとき左手首が疼いてしまう

4
あなたこそ雨 と走り書きされたきみの日記の最後のページ

5
ポケットにいつかのレシートが出てきて今日まで生きてきたんだなって

6
糸糸糸 きみがあやとりする糸はわたしの神経 楽しかろうね

7
「異国では色のついてるWi-Fiがリボンをつけて飛んでいるんだ」

8
チョコレートで汚された街 いろいろな事情があっても春は巡る

9
じゃあまたね 使い古した約束が路傍で鍵と干からびている

10
きみがまた蒸し返す愛の告白が唇を焼き沈黙を強いる