短歌 雲雀

1
宝箱閉じるみたいに命日がいつになるかは触れないでおく

2
By the way , why were you the rain? ってなんで英語で遺言するの

3
編み物が好きでしたよねよくここで変な模様を編んでいました

4
雪だるまに名前をつけた3月にショーンとメグはどろりと溶けた

5
シャンプーの詰め替えをするときにだけ地球にやさしい自分になれる

6
片道で2時間かかる学び舎に好きな人だけいればいいのに

7
星々に監視されつつ犬小屋のなかの命はぱちんと爆ぜる

8
憂鬱を洗い流してくれるから雨が降るなら月曜にしろ

9
小夜風が優しくなれば壊れてもバレないから(ああ、春、春、春)

10
雲雀よ! 喝采直後の幕切れをどうか静かに笑ってほしい