地球儀を強く抱きしめて
失くした星だけを数えて
から笑うあなたのことを
私はもう許せそうにない
あなたを許せない私を
あなたは許してしまう
そうして無難至高にて
風を感じているフリと
生きている真似事とが
上手になっていくのね
もし風が吹いたならば
終わりにしましょうよ
あなたはその胸に深い
身勝手な海を広げては
私を沈めるためだけに
被写界深度を誤ったの
ぼやけていく視界には
もう二人しか映らない
この星には7つの海がある
罪の数と同じだとあなたは
地球儀を放り投げて呟いて
変わり果てた私に逢うため
鋭利な瞳を剥いてくれるわ
そのリズムがちょうど良い
私が踏み外したのは
ターミナル駅の階段ではなく
私が見落としたのは
デジタルサイネージでもなく
私が殺めていたのは
阿呆な鳩の顔をした行列その
最後尾でうずくまる
他ならないあなたの影でした
堕ちてゆくその過程にて
一緒に汚れてくれるひとよ
なぜ呼吸方法を忘れたか
私、あなたのピリオドになりたいの
打ち捨てられた地球儀の上で
京王線は平常運転とのことで
ほらまた存在確率が下がるわ
他人事として過ぎていったら
平和を気取る街は通過されて
歪んだ被写界深度に躍る二人
誰もが間違えてしまう問いの
解はあなただけが持っている
小夜風がうるる吹いたら
私あなたの死因になれる