短歌 まつ毛

1
離れれば離れるほどに輝いてみえる故郷の最寄りのスタバ

2
頑張れは命令なんかではなくて代替不可な祈りの言葉

3
この爪も化石になれば誰かから求められると信じて舐める

4
触角も羽もしっぽも失ってそれを進化と呼びたがるヒト

5
凍りつくシンセサイザーむすめらは何を望むと問いかけられて

6
英語ではエッグっていう間違えて力んでしまう響きねエッグ

7
白鍵についた汚れを見ないふりするかのような生き様でした

8
食べかけのポテトチップスしけるより痒い事象を未だ知らない

9
輝きは衰えてなお輝きであることの意味つまりはふたり

10
横顔のときにまつ毛が長いって気づいたことに気づかれぬよう