短歌 目

1
水槽の鯵と目が合う天国の入口にいると自覚している

2
夜空には無数の目玉もうやめて気が済んだって破裂しないで

3
ランドルト環のぱっくりしてるとこに指を入れたらぶにゅっとしてる

4
眼球がごろごろ惑う手を取って踊り明かそうなんて言われて

5
落ちたのはコンタクトレンズでしたウロコじゃなくてなんかごめんね

6
まなうらに降り注ぐ雨 許せない記憶ばかりが暴れる夜明け

7
皿に残された目ん玉つっつけば「bonsoir」と挨拶をする

8
切長の瞳あたしを貫いて(事務所の許可は取ってあります)

9
涙にも色があるでしょいやむしろ色しかないでしょ涙になんて

10
手のひらで転がしているガラス玉 LOVE WAYばっか歌わないでよ