短歌 獣

1
鞭打てばいうことを聞く獣ども論理だててもむごいはむごい

2
消えかけの炎を愛でた日々があり強風の日は笑い続けた

3
のど飴を舐めているからヒトだろうそう簡単に殺してはだめ

4
幸せな日々であったとの証明 卒業式に檸檬を贈る

5
毒親を自称する母の手首にまだ新しい傷跡がある

6
正答を提示したのに嚙みついたこいつは獣けなしてもよい

7
大切なことは濁しておきましたモザイクかけた卒業写真

8
「やばいきもいうざい」はもれなくブーメランする(ここはテストに)

9
「迷惑をかけてはだめよ迷惑をかけたくないからかけてはだめよ」

10
気づいたら死んでいました悲しくて右のつまさきから湖へ