鳥、温かい食卓

地図からきみを消して

温かい食卓が実現する

断末魔にしては随分と

楽しそうな表情だった

パラレルワールドでは

きみが私を消すために

夜空から水瓶座を奪い

肩で呼吸し続けている

白い箱に詰め込まれた

安売りされる絶望感が

紅いシロップを浴びて

妄想として溶けていく

ああ寂しいだけなのに

きみさえいなければと

さよならだけを積んで

見届けられただろうに

私はもうだいぶ眠いの

遺書を焼かれてしまい

その熱で暖をとっては

生存を強要されてるの

ああ虚しいだけなのに

私さえ壊れてしまえば

愛という愛だけを選び

他人事にするんだろう

鳥!

パラソルを広げましょう

何も気に病むことはない

楽しいことだけ認識して

きみはきみから脱落せよ

鳥が降ったらアンブレラ

もう何も怖くないはずよ

街の底で息を潜めていて

私も私をやめようと思う

鳥、鳥、

鳥、

私がきみを

きみが私を

消すときは

きっといえ

絶対優しく

鳥の首吊りごっこなど思いもかけずに

食卓には揚げたての唐揚げが並んでる

きみは気だるげにソーダ片手につつき

味の感想すら言おうとしない、鳥、鳥

大空を飛べたらいいね

いつか逃避が叶ったら

夢を描けたら素敵だね

いつか実現するときは

私はきみがいないことだけを

唯一の現実として理解します