短歌 球

1
寂しさのしっぽをそっと撫でてやる怒りに変化させないために

2
さよならは音も立てずにやってくる春だ春です春であるとき

3
我が家ではテレビは地球と同じで壊れかけても気づかれずいる

4
論破して浸る優越感よりもおつりを募金できる感じだ

5
二択だと思ってたのに「はい」か「yes」わたしきんせいごしかしらない

6
眼球がきみを捉えてしまうのは春のせいです(推定無罪)

7
撫でてみるまぶたの下の眼球の柔さ優しくならざるを得ない

8
「もしかして中が真っ赤なスイカって割られたことに抗議してない?」

9
(物差しを押し付けあって幸不幸決めつけあって)地球はまわる

10
両の手で頬を包むと赤らんで「いのちと思う」と約束をした