1
天井を見上げるふたり日曜は約束なしで手をつなぎたい
2
泣き出したゼブラゾーンを行くきみは無口なままで傘をささない
3
引き返すつもりがあれば愛なんて言葉を使うわけないだろう
4
留守電にいまだに残るきみのこえ消去ボタンが旅に出て梅雨
5
まだ帰りたくない駅に続いてる信号機みな赤で壊れろ
6
月光にランプシェードが揺れる夜わかりあえないからそばにいる
7
紫陽花の抱く雫が涙ならきみが泣いてるわけは問わない
8
飴玉を噛み砕かずにこの星のまるいをひとつ守り抜くきみ
9
耳たぶに居残る熱を奪ってくピアスが揺れる夜の新宿
10
晴れたなら雨を求めるこころありささない傘は凶器にしない
