食べる、そのときに
口が開くと歯が見える
いのちを噛み砕くための
しゃべる、そのときに
口を開くと言葉が出る
誰かを傷つけるための
黙る、そのときに
口を開けると馬鹿みたい
本当は馬鹿なんだけれど
食べる、いのちを繋ぐため
しゃべる、己が傷つかないため
黙る、馬鹿だとばれないために
あなたがたが踏みにじった
あるいは楽しんで過ぎて尚
延長戦を強要する青春とは
消費期限切れになった途端
脊髄から脆く崩れるだろう
私は口笛を吹く
あなたがたの脊髄の真上で
私は編み物をする
あなたがたが震えだすまで
私は罰を創りだす
神さまの昔のご趣味だから
私は「今、ここ」を否定する
わたしはどこにもいないから
あなたがたから
どの神経を引っこ抜けば
あのこは笑うのかしら
手当たり次第で
構いませんね
私はすっかり優しくなってしまって
首肯したくさんのことを知りました
沈黙を強制してケラケラ笑った目と
依怙贔屓しか能のないせんせいたち
教室も病室も相変わらず四角いこと
みーんな、許してあげますからね!
ほら、笑顔が似合わないあなた
あなた、わたし、つまりみんな
ちゃんと許してあげましょうね
つまらないプライドに凝固した
自称勝者の寒々しさは末期的で
せんせい、と呼べる人などいないから
せんせいがせんせいと呼んでる
死んだ金魚の後始末する
かわいいあのこの脊髄を
守り抜くためあやつらの
神経すべて引っこ抜いて
リボンに編んであげたら
やっとあのこは笑ってくれた