今日の短歌 無謀な星

1
(猫がいる)すれ違う人それぞれに悩みがあって秋へと向かう

2
新宿を好きになれたら日没が早くなるのも許せるかしら

3
夏が逝く何か言いかけやめたきみが間違いだらけのパズルを解く

4
わがままも貫いたなら道になるそこに咲く花に名を与えよ

5
無防備な星を傷つけようとする者のこころこそ痛むならよい

6
「待ってるよ」こそ愛だった後悔が涙と溢れ溺れてしまう

7
これは秋それはまだ夏きみだけに僕の仕事を教えてあげる

8
晴れわたる空から夏が逃げていく私はここで動けずにいる

9
もう上を向くことのない向日葵の影を踏んだらそこからが秋

10
八月が終わる夜にはそばにいて「もういいよ」って私を呼んで