今日の短歌 溺れるきみ

1
十年があっという間に過ぎてって十一回目の秋桜を待つ

2
不器用はもはや伝統芸能かいっそ人間国宝になれ

3
一人称複数形ではや十年なんだかんだで今日も笑顔で

4
積読があふれる部屋の隅っこで文字に溺れるきみを見つけた

5
秒針をふたり並んで目で追ってそのまま酔って倒れてしまう

6
歌声にこころさらわれ新宿に憧れていた十七の秋

7
偉そうなひとほど偉くないことに気づいてるひとこの指とまれ

8
肌よりもこころに触れていたい夜だからラジオは消さないでいて

9
「どうせ」って保険をかける生きかたを許してほしいけれど叱って

10
2123年ほとんどの人が地球に還ってるから
早く寝ようか