1
著作権切れたとたんに人々を襲いはじめたあの黒ネズミ
2
自販機の右端にいるおしるこはちゃんと私を見下している
3
好きだった好きすぎてもう苦しかった動機はそれでじゅうぶんだった
4
「『確かに』が『しかし』とセットなのはもうわかってるんだ」「確かにそうね」
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思い出の冬のプールに飼っていたサソリを連れて夢まで来てね
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何度でも君との約束を破ろうまた新しく結びたいから
7
加害者が何かを殖やし笑ってる鷺はいっつも一匹でいる
8
二周目で気づいた誤字に親指の腹をくいっと押し当ててみる
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たぶん血が出てる日だった席替えで消された名前つぶやいたのは
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終点の近くに暮らすさみしさに名は与えない手放すために