今日の短歌 猫の目

1
好きだから好きと伝えただけだからそんな無難な目を向けるなよ

2
猫の目に大した意味に映らない見た目ばかりが整ったもの

3
叫びたい衝動よりもそのあとの疲労について話しましょうか

4
間違えるのがそんなにも怖いのか深夜ラジオを処方箋しませう

5
だってほらおんなじことをするでしょうあらゆるものをいいわけにして

6
三分後執行されるカップ麺実食の儀を待ち切れなくて

7
嫌われることは大して気にしない笑顔の蝿を振り払う日々

8
正しいのラベルを見ると猫たちはそっぽを向いて月を見上げる

9
コンビニに「おせち」ののぼり台風の雨に打たれるのは私もだ

10
影響を与えることに腐心して己をなくすヒトのあわれさ