最果てレストラン
世界の終わりのその後に、ふたりは朽ちた一軒家で小さなレストランをはじめた。決してお客さんは来ない。それでもふたりはキッチンに並び、残された時間を丁寧に暮らしている。 「コロッケは意外と、手のかかるメニューだね」 じゃがい…
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世界の終わりのその後に、ふたりは朽ちた一軒家で小さなレストランをはじめた。決してお客さんは来ない。それでもふたりはキッチンに並び、残された時間を丁寧に暮らしている。 「コロッケは意外と、手のかかるメニューだね」 じゃがい…
人魚のことなんだが あいつは嫉妬深くて 海の藻屑になって尚 眼球だけは漂わせて 王子様が老いてゆく その様を炯炯として 睨み続けているのだ 灰かぶりについては 極彩色の復讐を企て 新品のギターを買い しならせる特訓中で …
川越まで日帰りで小旅行に行ってきた。自宅から車で一時間半も飛ばせば辿り着ける場所にあるので、思い立って小江戸散策を決めたのだ。昨日でお互い仕事納めだった自分たちへの、ちょっとしたご褒美のつもりだった。 川越散策には最高の…
2017年が終わる。年の瀬に、実家に帰ってこなくていいと言われた私たちは、二人きりでの年越しを過ごすことになった。 年末の買い物を終え、帰り道で私たちはわざと遠回りをして、最寄駅の踏切道の前で立ち止まった。 遮断機が下り…