短歌 ニアリーイコール

1 春一番友達のままでいたいって友達ですらない人から 咽せた 2 美しいから傷つくのだと励まされこころに春の居場所をつくる 3 疑えるニアリーイコール知性って卒業前に認めてみなよ 4 春よ、来いっていうか頼むから来てくだ…

短歌 ひりひりするね

1 ファイティングポーズじゃなくて寒いから猫のポーズを試みたのに 2 殺す気か! ってよくあるツッコミにニコリともせず満月の下 3 髪の毛を上手く巻けても舌先に口内炎がいる日常だ 4 えらいひと心許せる友達がいないがゆえ…

短歌 白いベンチ

1 もういない信じたくないでもいない笑えてるって伝えたかった 2 この風に吹かれるための傷だったコートを脱いで空へ晒そう 3 鈴が鳴るあなたはあなたのままでいいとかいう奴はみんな嘘つき 4 きみの目が春を察して立ち上がる…

短歌 いいけど

1 毒を吐くのはいいけれど「毒を吐く人なんだな」と思いはするよ 2 唇が割れて味わう血の味に慣れることなく来る誕生日 3 指先の乾燥が自己像を偽るおいiPad私だってば 4 「考える」なんてそのうち人間の営みからは消える…

漆黒の獣

目の前の花瓶に陽光が通過して、この白い壁面にプリズムが差したところで、きみはその色彩に全く興味を示さない。 僕は、考えている。朝起きてあくびをするとき、この部屋のカーテンを開けるとき、朝食の卵をサニーサイドアップにすると…

短歌 涙を借りる

1 曇天にこっそり添えた針の月きみに見つかる前に帰ろう 2 このどこを裂いても赤い血が出るのだからあんまり笑わせないで 3 日曜日なんて金魚は知らなくて医院の隅でいつも通りで 4 愛の鞭だろうが痛いものは嫌っていうか愛は…

短歌 まぁるい

1 「わかるよ」で途切れた会話 受話器越し震えてる声ああ雪になる 2 (人間は箱の外では最弱の被捕食者である)こたつ大好き 3 部屋、スマホ、パソコン、みんな箱わたしの好きなものはまぁるい 4 もうぜんぶ気圧配置のせいに…

短歌 胸を張りなよ

1 ファミレスで映画のオチが漏れ聞こえナイフを握るきみを制する 2 「疑う」を常時こころに留め置いて渋谷で笑顔の人を避けよ 3 爆弾の中身をすべて花びらに変える魔法を今こそ使う 4 晴れすぎてしんどくなると傘をさすわたし…

短歌 ヤッ ウッ

1 さみしいはさびしいよりもさみしいしさびしいはさみしいよりさびしい 2 さびしさに潰されそうな夜のためシュークリームはコンビニにいる 3 擬態語について議論をし続けてドリンクバーで始発を待った 4 秘めるのが苦手になっ…

短歌 ほぼほぼ恋だ

1 星の降る夜に限って味噌がないコンソメもない散歩に行こう 2 ドリアって半端な気持ちで頼んだら火傷するとかほぼほぼ恋だ 3 諍いを仕留めてしまう激辛のカレーを求め下北沢へ 4  怒ってる? きみが怒っていることを全く気…