わからない
わからない あのこの不機嫌のわけ わからない あのこの苛立ちと焦り わかるわけない ただ風のなか トラウマを免罪符にする 人々の澱んだまなざしに 今さら揺らすこころなどなく 木々をそよがせる風と ともに在る今がすきなだけ…
わからない あのこの不機嫌のわけ わからない あのこの苛立ちと焦り わかるわけない ただ風のなか トラウマを免罪符にする 人々の澱んだまなざしに 今さら揺らすこころなどなく 木々をそよがせる風と ともに在る今がすきなだけ…
ゆるすとは なんだか 手放すことに似ている あれが許せない これが納得できない あいつを糾弾したい あいつらを見返したい そういうあれこれを 両腕にがっちり抱えていては すきな色の風船が飛んできても 手をちゃんと伸ばせな…
1 ボーカルは私がやるよ風は吹け青葉を揺らしざわめきをくれ 2 学はあるでも品がない金はある 「優等生」を辞書で引いたら 3 ストローで吸いきれなくて諦めた恋もあったと今は笑える 4 生きる意味なんて要らない茶がうまい風…
1 うん、でもね証拠は? なんて言われても事実は変わらないと思うよ 2 あの月はくじらの夢に顔を出し漂う意味をわたしに許す 3 ことなかれ主義が正しい顔をする教室 でも風はいつか吹く 4 できることよりもできないことを知…
1 ほんとうのことはどこにも書いてない彼の宇宙の中にだけ在る 2 その線を越えてしまった者だけの|地球《ほし》の悲鳴を映した瞳 3 嫌味って言った口こそ腐るのにミントを噛んでまた誤魔化すの 4 逆上がりすればあべこべの街…
「ソイチャイティーラテのホットを頼みたかったのです」 僕の彼女は、落ち込んだ様子を見せながらもチャイティーラテのアイスをストローで勢いよくすすった。4月にしてはやけに肌寒い日。そろそろ桜も散りはじめだが、「散り際の花も趣…
1 春なのにいや春だから怖くなるきみの鼓動が優しすぎると 2 波風を立てない範囲で暴れてたあの子もあの子も四角いあたま 3 誰よりもきみが好きだと伝えてもきみは誰よりきみが好き ああ 4 散ってゆく桜は好きだそのうちにふ…
1 あの鳩も夢を見ている飛べるはず飛べるはずって叶わぬ夢を 2 親指の爪に灯った三日月を噛んでふくめてきみを見上げる 3 未来から来たと言い張るおじさんが駅のホームで鳩に追われる 4 それで今あなたは飯を食えている私の傷…
1 からっぽの鳥かごに手を突っ込んで「いない」とこぼすきみの黒い目 2 微笑みに西陽がさして浮き上がる君の本性をきみは知らない 3 花のした唯一無二になりたいと願えばざあとさざめく彩度 4 水槽をずっと見ているきみの目が…
1 セオリーやテンプレートが怖くなるセロリが好きでなんだかごめん 2 反論をするよりセロリ噛みながら視線を逃がすサクサクサクサ 3 理解者を自称する者にご用心 空は誰にも支配されない 4 曇天が人を不安にさせるのは可能性…