今日の短歌 屋台の金魚
1 マグカップ覗きこむきみ覗きこむ私を覗きこむぬいぐるみ 2 チョベリグを連発してたパイセンの当たり前田になりたい ぴえん 3 The Beatles ならば死なない流行語墓場でかかる Let It Be 4 KYがつい…
1 マグカップ覗きこむきみ覗きこむ私を覗きこむぬいぐるみ 2 チョベリグを連発してたパイセンの当たり前田になりたい ぴえん 3 The Beatles ならば死なない流行語墓場でかかる Let It Be 4 KYがつい…
1 懐メロの範囲が違う焼き鳥のたれ塩割れるそれでもふたり 2 アイスティーに注いだミルク溶けるのを黙って見てたふたりで見てた 3 手放した風船高く消えてゆく傷よ痛みよ光に溶けよ 4 差し出した傘を受け取るきみの手に触れよ…
神は細部に宿るといわれる。だとしたら、今朝発見してしまった枝毛にも、神は存在しているのだろうか。 帰宅して、スーパーで買った握り寿司を適当につまみ、そのまま惰性でシャワーを浴びる。ろくに磨いていない鏡に、ろくにケアしてい…
幽霊も踊るしかないフェスの夜 背伸びして後悔ののち夏休み 夕立ののちに手放す執着よ 青嵐それでも笑んでよいか問う 水玉を見つめる瞳もまた玉よ
1 欠点を見つけるたびに嬉しくて流星を待ちわびてるふたり 2 「ぼく」じゃない一人称でうめくきみ すべて私のせいにしてくれ 3 三連休しずしず終わるできたての口内炎もちゃんと愛しい 4 ハーモニカ吹くみたく食むとうきびに…
ついに蝉が鳴き出したようで、盛夏を告げる声が耳に入ってくる。彼はぎこちない挙動でベッドに横たわる青年の肩に触れた。 その手が胸元に滑りそうになるのを、彼は精一杯の自制心で堪えた。青年の寝息は穏やかで、よほどリラックスして…
1 呼び捨てにしてぎゅっとなる文庫本めくる音さえすきと聞こえる 2 半額のシールを狙い手に取ったサラダになんて謝ればいい 3 三日月を逃した夜だ帰らなきゃきみがナイフを研いでいるから 4 くるぶしがきいんと冷えるサンダル…
知らないことが減っていくと 痛み止めを飲んでるみたいに 誤魔化すことが上手になれる 不都合な時は沈黙することが 何よりの特効薬だったりする 輝きを強制されて 笑顔の練習をして 最適解だけ選んで いつも正解をして 褒められ…
1 ビー玉を狙ってラムネ瓶を割るようにまっすぐ欲しがってくれ 2 海を見に行こうと床のきみがいう約束じゃなく命令として 3 ベランダで夏の星座を探してるきみに缶チューハイを差し出す 4 きみがまた下手な口笛を吹くから悲し…
青い舌出し笑いあう夏の宵 梅雨明けよ飛行機雲の伸びる空 道半ば転んでもなお青嵐 玉の汗すべり落ちるかまるい頬 夏の月付箋だらけの文庫本