短歌 ひとり

1 言い訳を考えてたら朝が来てああこれだなと太陽を蹴る 2 光あるところの影が私です 必要悪と呼んでください 3 パソコンで「じしょう」と打つと「自らを笑う」と化ける我のスペック 4 事件簿に載らない私の喜劇にもちろん千…

短歌 灰

1 我もまた少女だったというひとの思い出に載る灰のアルバム 2 悲しいと爪を噛む癖を叱ってくれたあなたの影を踏んでた 3 その人が絶対であり神であり愚者であったと気づくのが恋 4 大切を大切にして大切に抱えていたらグレー…

短歌 クレヨン

1 偶然だ 血が赤いのもぬるいのもなかなか止まることがないのも 2 ブラウスのピンクのしみは確実に君に恋した盛夏の残滓 3 オレンジを食べた! 朝から君のこと早く壊してみたいと願う 4 たまさかに君の生存を知ったよ 鳥よ…

天使の遺言

笑えと言われたから笑ったの私いい子ですから 死ねと言われたから攣ったの私いい子ですから  それで、いつ愛してもらえますか  そんなことより頭が痛い 頭痛が痛いって誤用かな 本当の本当に誤用かしら 正しさの反対側を見たい …

短歌 カット

1 わたしもう自分からログアウトして言葉の嘘を撃ち抜きたいの  2 笑われてちょうどよかった過日の碑 解すことのない世界を嗅いだ  3 シンメトリだけが正義の造形か 愛の急所は歪んでいるぞ  4 整った車内アナウンスばか…

短歌 晩夏

1 ひまわりが怖いとないたセミたちの悲鳴を耳にぶらさげる午後 2 結局は影になるのだ 星求め自分探しの旅に出たひと 3 苦しさを分けてあげます あなただけ笑ってるのはおかしなことだ 4 処世術 啓発本に生きるコツ ぜんぶ…

明るい場所がひなたになる

朝、出勤のためマンションの玄関を出るとそこに蝉の遺骸が落ちていました。夏も終わるなぁと感傷に浸る間もなく、そのすぐそばにサワガニが落ちていました。 海のない都市で果てたサワガニが最期に見た空の色を想像するにまったく及ばず…

「これが私の自由です」

夏休みに小学生たちの頭を悩ませるものと言えば、「自由研究」と「読書感想文」だと思うのですが、例にもれず私もそんな小学生の一人でした。 読書感想文は、「クレヨン王国」シリーズが好きすぎて、特に「月のたまご」はPART8まで…

全部ぜんぶひっさげて堂々と

(※長いです。ライフヒストリーという名のオバさんの自分語りの域は出ないと思いますが、今現在、仕事することや生きづらさを感じている人へ送る、私なりの精一杯のエールです。なので、ご一読いただけると嬉しいです) 初夏の陽気に包…

それは私がきっぱりと否定しておく。

こんばんは、笹塚です。今日は、気まぐれに自分のお仕事のお話などをしてみようかなと。何もかもを書くわけにもいかないので、普段の業務内容にオブラートを5重くらいかけて、つれづれに書けたらと思います。 私は職業柄、人から相談を…