短歌 蹴り倒す

1 向日葵の前向きなさまなぜかしら枯れた姿を想ってしまう 2 サイダーの泡のすべてが意思を持つ気がしてしまう夏は嫌いだ 3 ハードルが高いのならば蹴り倒すスタンスだってあっていいだろ 4 悪役は悪い奴にはできないと祭囃子…

短歌 夜を呼ぶ声

1 冷凍庫 氷 倫理の通じないスマホに払うカネがあるなら 2 降ってきた 晴れてるよ? いや降ってるよ きみがいうならそうなんだろう 3 うまくやることが優しく在るよりも重要なんて ざらめが苦い 4 怪談とバンジージャン…

短歌 クラッシックよりも

1 母になる笑っちゃうほど不安でも大丈夫ってもう気づいてる 2 狂犬と呼ばれたきみはその歯牙を自ら捨てて絵本を探す 3 伝えても伝えてもまだ届かないから何度でも好きと伝えよ 4 執着は劣等感の表れと認めぬ者が縋る暴論 5…

短歌 それでも、

1 愛しさのあまりおかしくなるなんて正常なことだと思うけど 2 きみの目が夜になるとき雷鳴はわたしの中で それでも、と告ぐ 3 銃口を向ければそれは銃口を向けられていることを意味する 4 弾倉に愛が詰まっていることを気づ…