今日の短歌 ランプ
1 推しじゃないチーム同士の試合でも息を飲むのが日本シリーズ 2 ドラキュラも魔女もミイラも渋谷には行かずzoomで集まる今宵 3 ドラキュラの仮装できみは拗ねていた惚れ直すにはじゅうぶん過ぎた 4 暗闇に洋燈ランプ枯れ…
1 推しじゃないチーム同士の試合でも息を飲むのが日本シリーズ 2 ドラキュラも魔女もミイラも渋谷には行かずzoomで集まる今宵 3 ドラキュラの仮装できみは拗ねていた惚れ直すにはじゅうぶん過ぎた 4 暗闇に洋燈ランプ枯れ…
1 からだには戸惑うばかりあの星がほしいとねだった手に纏う闇 2 閉館を報せるカノン背表紙をなぞるばかりで果てた企み 3 お肉なら余ってるから持ってってどうぞどうぞどうぞどうぞ 4 おしあてるきみの鼓動を聴きたくて 冬が…
1 しねという二文字すべて「すき」にする魔法ならもう使えるはずだ 2 やっぱりね オカネで愛が買えなくて震えているのマナーモードで 3 青春の答え合わせをするふたり箱に潰されなくてよかった! 4 焼き肉の最後にガムを渡さ…
1 「従順」は貶し言葉と気がついて飼い犬に名は与えなかった 2 「花束は枯れていくから嬉しいよ」無限キャベツを食みつつきみは 3 実験は成功したとされておりマリネにされたタコと目が合う 4 消えていく傷もあること新月の満…
1 優劣はどこにもなくて人々はみんな「違い」を持っているだけ 2 陽炎のせいにできるね目が合ったときに殺意を抱いたことも 3 今日ひとつ嘘をついたよきみのこと嫌いだなんてすぐばれるのに 4 二の腕で空を飛べると信じてるそ…
1 かくれんぼ西陽の部屋で首を振る扇風機にも見つけられない 2 「美しい」ほかに言葉が要るだろうか夕立のあとの改札のきみ 3 くだらないことだけをして公園でコンビニアイスを分ける夜が良い 4 わたしには泣いてるように見え…
1 種を吐くときの顔すら好きだからたぶん飽きてもまた風は吹く 2 蝉を見ろあいつらすぐに逝っちまう叫ばなければ生きてゆけます 3 気づいても言わないでおく傷ついたぶんだけ人が強くなること 4 この夏は地獄の蓋を開けたまま…
甘いものが苦手だと思ってた。お酒が好きな人は甘いものよりお酒に合うものが好きなんだろうなって。 新入メンバーの歓迎会として開催されたホームパーティーで、あなたは他のみんながUNOに興じるなか、離れた場所に置かれたソファの…
きみが神さまを自称しはじめてから、いつも私は寂しい。自称だなんて胡散くさいし、そもそもどこから見てもきみは、至って平凡なサラリーマンだ。 なのに、きみは確固たる意志をもって自分が神さまだと信じている。笑えない冗談か、はた…
ある時、きみは僕の前でシャツを脱ぐのをひどく嫌がった。気分じゃないのかと問うたら、そうではないと蚊の鳴くような声で答える。じゃあどうして、と更にきくことはしなかった。きみの目が、ひどく潤んでいたから。 僕は宮廷作曲家の端…