目の前で息絶えた夏を
あの海まで連れてった
あの日君と見た
あの海まで連れてった
オレンジ色の車に乗って
あの曲を聴きながら
一緒に途方に暮れた
あの海は今、
夕凪に誘われて
思考停止中です
空蝉に身を焦がして
猜疑心を覚えたそうです
あの海に夏を葬りました
かつての君の御身の様に
あの海の夕暮れを見ました
あの日の僕らのように
薄れてく記憶が
どうしようもなく心地よくて
鈍っていく感情が
抗えないほど快感で
僕は君を忘れて呆けていく
海ばかりが波を寄せては返し
黙って時をやり過ごしている
嗚呼!
叫べば許される気すらして
僕は緩やかに果てていくのです