短歌 放置

1
断言が断罪になるというのなら早く私を馬鹿と貶して

2
この駅に快速列車が止まらないのも寂しさも私のせいだ

3
鈴虫に唆されて僕はいま誰も知らないソリストになる

4
メロディを重ねるたびに嘘がほらバレていくから早く歌おう

5
むかし観た映画みたいと君が倦む 喫煙室の隅の秋桜

6
熟れた月 ごめんなさいをまた告げる 命未満は実りを知らぬ

7
ピッチピチ キャピキャピ ウフフ 嬉しいな 生きてるだけで死んでくなんて

8
黒板に爪を立てたら合図です 誰も彼もが標的になる

9
綺麗事だからと避けて本当に汚いものから逃げ続けてる

10
傷を傷のままにしてあるのは左隣で笑うあなたのせい