短歌 ドーナツ

1
ドーナツの穴をのぞけばその先にいつも通りに壊れてるきみ

2
食べかけのドーナツでいい差し出せるものはなんでもきみからほしい

3
腕時計だと思ってたよく見たらちっさなオールドファッションじゃないか

4
また一個余ってしまうドーナツはいつもふたりを試しているね

5
海と山どちらが好きか訊かれても「ドーナツ」っていうきみだから好き

6
doughnutの発音しないghみたいに生きてゆきたいものだ

7
チョコ味といちご味ならと訊いてもわたしがいいときみはいうのね

8
真っ二つにしたと言い張るドーナツはきみのかけらが少し大きい

9
ドーナツを6つ並べて達郎がやってきたなら我が家はミスド

10
ドーナツの穴があったら入りたい目の前でまた壊れゆくきみ