短歌 四月馬鹿

1
遊びではなかったと知り組んだ手がほどけなくなる児戯プレイング

2
結ばれず熟れゆく月が溶けるときうさぎの声でるるらと叫ぶ

3
きみはきみだけを信じていればいいなんて嘘なら私がついた

4
懐メロを口ずさむ私のとなりで壊れたがってる父のラジカセ

5
エイプリルフールだからとついていい嘘とそうじゃないのがある(らしい)

6
UFOをつくる仕事に就きました みんな笑ってくれたよ、みんな

7
夢にまで見たどこでもドアがあるのに別にどこにも行きたくはない

8
汎用性の高いメロディがホームに響く(まだ)飛び込まないで

9
草原にセールのチラシが落ちていてきちんとぐしゃぐしゃああおんなじだ

10
本当にバナナの皮で転ぶのか実験のために食う四月馬鹿