短歌 あいらぶゆー

1
アルペジオ星を追った夜 切なさを携え息する獣が二匹

2
流星は儚いねって泣くきみの保障されない明日を想う

3
なぜ星が美しいのか(命から最も近い場所にあるから)

4
星がいまきみのなかでハレーションする それを人々は恋と呼んだ

5
星々のきらめき人々の感情 宇宙は美醜のバランスがいい

6
病室のはめ殺された四角窓から降る星の冷たい視線

7
100年後まだあの星はあるだろか あいらぶゆーは永遠の嘘

8
獣とは人間から悲しみという星を奪った状態のこと

9
綺羅星の如く淡々と光れよ 死から逃れて脈々と生きよ

10
特別がひとつも起きない夜だから星を数えて眠りにつこう