短歌 冬

1
UFOを見かけた夜の帰りみち白い息だけ捕まえ歩く

2
人材、と呼ばれるときに血と骨でできていますと答えたくなる

3
おでんではちくわぶが好き共感は別のところでお願いします

4
こたつとは要塞である最強のかたつむりとは私のことだ

5
耳たぶがピアスを拒む氷点下三度の朝の軽い憂うつ

6
コンビニは街のオアシスまた明日がんばるためのセーブポイント

7
幅員を気にする仕事に疲れた夜は入浴剤がやさしい

8
UFOはオーストラリアのほうで見た今年の恵方は南南東

9
凶悪な鬼が苦手な豆なのにこんな価格で買えるんですか

10
炊きたてのご飯に勝る幸せはこの冬いまだ発見されず