今日の短歌 猫は驚く

1
コンビニの冷食売り場に永遠がわりと安値で微笑んでいる

2
永遠が「ん」で終わることしりとりで使えないこと腹が減ること

3
永遠の終わりを告げるレンチンに涙するひとだけで食べてよ

4
ぎこちなく扉は閉まる人びとがもったり詰まる特急列車

5
警笛に猫は驚くこれだけの人がいるのにみな黙ってる

6
きゅうきゅうとわれの財布が鳴いている給料日前のいつものこと

7
コーヒーのあったか〜いを選んでるとなりで冬の足音を聞く

8
扇風機きみも役立たずになった安心していまバラしてあげる

9
でもね、また夏はくるでしょ。捨てちゃいな、出せずじまいの恋文なんて。

10
三叉路を過ぎればきみがいる/いない/別の誰かと手をつないでる