今日の短歌 プラネタリウム

1
(「半額」のシールを貼ってくれるひと)待ち人はあと三分で来る

2
落涙に汚れた頬を抱きしめるそれは地図になるため流れた

3
正しさはただの抑圧このぼくはコーラをちゃんと振ってから飲む

4
靴紐を結び直してまた歩き出せるからスニーカーを選んだ

5
数えれば指が足りないしあわせを定性的に定義し直す

6
今日きみが傘をささないそのわけが私の胸にだけ降り注ぐ

7
神さまがつくったプラネタリウムに閉じ込められたぼくらの呼吸

8
27時の寝室に背をもたれ星を数えるきみを見ていた

9
きらめきは傷の数だけ 杖をつく父の背中に正の字を書く

10
あなたにも獣と同じ色の血が流れてること忘れないでね