1
寂しさに果てる夜もあるいちかけるいちが2になれないせいだろう
2
深爪は自傷行為かサイレンが近くで鳴る夜は迎えに来てよ
3
虫の音と奏でるきみのひとりごとうわごとねごと心臓のおと
4
ただ空が美しかっただけなのにきみが壊れる理由だらけだ
5
パレットにない風の色ああいまだ許すことだけ見失ってる
6
優しさが雲に隠れる夜だから泣いても無駄と思い知らせて
7
いさかいが争いになるその前に「おやつにしよう」(魔法の呪文)
8
きみ宛の手紙は終わりかただけがわからず今日も出せないでいる
9
満月の下の問いかけくちびるは正答だけを避けて近づく
10
あたりまえとありきたりとを積み重ねそれを日々ってきみと呼びたい