プロローグ

社会福祉士:国家資格の一つ。身体上もしくは精神上の障害がある人、または環境上の理由によって日常生活を営むのに支障のある人、困難を抱える人を対象とする。福祉に関する相談に応じ、助言や指導をする。さらに、福祉サービスや健康医療サービスを提供する関係者との連携や調整を行い、援助を行う。相談内容の範囲は、保険・医療、高齢者、障害者、生活保護、児童など、福祉に関係するあらゆる分野に及ぶ。


『様々な社会課題に取り組む社会福祉士のリーダーとして巣立てるよう、明確な人権意識のもと、広く深いソーシャルワークの学びを得られます。現代社会の人々に笑顔を! 全ての人に平等な権利を!』

そんなスローガンの掲げられた、とある大学のホームページを、桐生聖也はスマートフォンから冷めた表情で見つめていた。

あっけない別れを連れてきたのは、5月の空。その爽やかさに、およそ似つかわしくない笑みを彼は浮かべる。己のふがいなさに、そうするほかなかったのだ。

——やっぱり俺は、いつ死んだって仕方ないんだ。俺のとなりでは、死神がいつでも手招きをしているから。

一限目 自転車 に続く