短歌 オービス

1
落ちている小鳥へ向ける祈りあり雑踏に溶けるきみの視線は

2
祈りますきみがそのままきみらしく私を殺したくて在ること

3
約束は生きていくよの宣言だオッケー、みんな死ぬまで生きろ

4
ささくれのたったひとつも許せない夜が果ててもまた夜になる

5
くちびるの皮を舌先でなぞってこれが剥けたら家に帰ろう

6
星を食べ灯りを消して眠るきみ優しさだけを言葉にできず

7
オービスを睨み返した夕まぐれ誰の溜飲を下げたんだろう

8
迷惑をかけたくない と 迷惑をかけちゃダメ とは混ぜるな危険

9
ざまあみろって言いたい人がいるけれどパケットがもう底を尽く

10
多数派が常に正しくあるのなら……翌朝、布団にシワシワミッキー