短歌 白いベンチ

1
もういない信じたくないでもいない笑えてるって伝えたかった

2
この風に吹かれるための傷だったコートを脱いで空へ晒そう

3
鈴が鳴るあなたはあなたのままでいいとかいう奴はみんな嘘つき

4
きみの目が春を察して立ち上がる白いベンチに影を落として

5
溶けるでしょチョコもつららも尖ってるものはそういうさだめにあるの

6
手折るとき花にごめんを添えるけど許してなんてもらえないよな

7
説明を強要されるのはいつも怪我を負わされ抗議する側

8
美味しいと美味しいとは言えず「うまっ」以降は黙ってしまう

9
どこまでも続きはしない線路でもぼくらを乗せて楽しく軋む

10
全国の難読地名を集めて人里へんぼりにミュージアムを建てよう