短歌 オブラート

1
待ってくれ 切なくない失恋 とか そもそも 恋 じゃ なっかたので は

2
本音だと怒られるから巻きつけたオブラートの味しかもうしない

3
どうしても正解だけがほしいのかタラバのガニは食べちゃだめだよ

4
アドバイス 暴力性が身に沁みる何も言えない言えるわけない

5
舞っているそれが雪だと気がついてきみの不在を野良猫に問う

6
従順でユーモアもありそれでいて疑問を持てない奴らから寝ろ

7
先にお湯入れてしまった焼きそばへ注ぐこの手を止められたなら

8
意味がない抵抗はない抵抗を無意味に染める手が多いだけ

9
佇立するわたしの影を踏んづけて猫たちは征く振り向きもせず

10
トラウマの息の根だけを止めたくてスタンゲッツをリピートする夜