短歌 るる

1
からっぽの鳥かごに手を突っ込んで「いない」とこぼすきみの黒い目

2
微笑みに西陽がさして浮き上がる君の本性をきみは知らない

3
花のした唯一無二になりたいと願えばざあとさざめく彩度

4
水槽をずっと見ているきみの目がいない金魚をとらえる夜更け

5
雪の降る窓辺にきみと揺れている嘘みたいって笑いあってる

6
わけもなく花は散りゆくきみがまたほどけたとしても祝福せねば

7
大丈夫って言葉の持つちから信じて紡ぐ今日を明日を

8
手を繋ぐ拒絶もしないきみだけどきみは花しか見てはくれない

9
花びらが前髪にるる絡まって歌ってもいい? ってはしゃぐ姿も

10
茶がうまいだけで上書き可能です(今日もきちんといい日でしたよ)