短歌 夜を呼ぶ声

1
冷凍庫 氷 倫理の通じないスマホに払うカネがあるなら

2
降ってきた 晴れてるよ? いや降ってるよ きみがいうならそうなんだろう

3
うまくやることが優しく在るよりも重要なんて ざらめが苦い

4
怪談とバンジージャンプとの二択おそろしいのはきみのほほえみ

5
目の前で溶けているのはなんだろう 氷 それとも眠りの記憶

6
風鈴の音じゃなかった澄み切ったあれはこころが夜を呼ぶ声

7
逃げ出した鳥は自由になったんだつまり居場所を失ったんだ

8
魚ども悔しくないか身を裂かれなぜにそれでも声を持たない

9
——楽しくて。 先手を打って反論を甘く味付けするのはずるい

10
美学では飯は食えないけど美学なき生活に風は吹かない