アサシンが朝日に目を細めるとき、そのそばで私は何に涙するんだろう
あなたはひどくためらう。愛することも、愛されることも。愛を拒絶するほどの傷は、何年何月何日何時何分何秒につけられましたと証明する手立てがない。 心の底から、悔しいと思う。目に見えるものしかやはり人々は信じない。数字に、具…
あなたはひどくためらう。愛することも、愛されることも。愛を拒絶するほどの傷は、何年何月何日何時何分何秒につけられましたと証明する手立てがない。 心の底から、悔しいと思う。目に見えるものしかやはり人々は信じない。数字に、具…
なにもかもがわからなくなるときがある。わからないことがわからない、そんな瞬間に私はこれまで自分が傷つけてきた人々の脊柱を想う。中には同じような色のなにかが詰まっていて、同じような仕組みで動いて同じような感覚で痛みを覚えて…
鷺の巣に手を伸ばしたらそよぐ声 春雷よ私の恋をごまかすな 東風を知り戻れぬ日々にただ涙 放課後の口笛とける春の闇 厳しさは優しさだった春一番 芽吹きとは前を向くための道標 寄り添うとすぐにほころぶ梅ときみ 遠い自由に憧れ…
命だったものの上に 累々と打ち捨てられた 流行りの正義(感)と ヒトナミの中で 私はようやく溺れました 何が悲しいって 見上げた星空の何処にも 約束が見つからなかったのです 孤独などもはや 詠うための言い訳に 変質して久…
テントの中で一番大切なことは 規則正しく生きること 高く飛んだり笑ったり 涙を星と見間違えてはいけない 口を開けていいのは歌うときと 「わかりました」と言うときと 「ごめんなさい」と言うときと みんな大好きと叫ぶときだけ…
ぷっくりとふくれる頬と梅つぼみ 梅の香が考えごとをさえぎる夜 生き急ぐこともあるまい花の兄 目覚ましに梅干しひとつ受験生 手のひらに梅の花びら母わらう ペンネームの由来にした春便り からころと楽しい梅の花の散る 冬の梅こ…
たぶん言葉をなくしてしまったんだろう 私はそんな彼を心の底から祝福をしたい 彼の胸元を広くひらいて小さな洋燈や ろうそくのともしびをわけてあげたい 私の愚かさだってそうしたなら 少しはましな遺産になれるんだ 足りないもの…
1 寝坊助のきみのほっぺをつねるとき我は稀代の悪者となる 2 もしきみが病める朝にはアラームを止めて私もそっと閉ざそう 3 ワイシャツの襟を直してあげるとき きみは黙ってペンギンになる 4 三日月を美味しそうだというきみ…
おさげ髪をほどいたあとにほら ソバージュみたいになるでしょ 少しだけ可愛くなれた気がした 鏡の前でそれでも笑えない娘を 何処からやってきた女が突然に 言葉という恐ろしい武器を用い 未来人を自称しながら刺殺した おさげ髪を…
1 愛がもし海によく似たものならばなるべく広く深くありたい 2 使い捨てカイロに礼を言ってから捨てるあなたのあたたかいクセ 3 錆び付いて誰も乗らないブランコを揺らすみたいな愛の告白 4 秘密などなにひとつない愛しさがあ…