——
私の愚かさは例えるならば 血を吐く前夜の白羊 ミュートしたまま終わった 大演説のごとく虚しい 始まりのない終わりは何処 私に居座るよくない細胞 ついた嘘の数だけ分裂する 下がりきらない半音に ジムノペディを糾弾しても う…
私の愚かさは例えるならば 血を吐く前夜の白羊 ミュートしたまま終わった 大演説のごとく虚しい 始まりのない終わりは何処 私に居座るよくない細胞 ついた嘘の数だけ分裂する 下がりきらない半音に ジムノペディを糾弾しても う…
1 最低と口にするきみ凹むぼく天気の話とわかっていても 2 速報に耳を塞いで笑ってる愚鈍と安穏とは比例する 3 ビー玉を夕陽に透かす憂鬱な表情をして土鳩が過ぎる 4 ビー玉を夕陽に透かす憂鬱もかけがえのないあなたの一部 …
飛べばいいんだ 苦しいのならば ここ以外の空へ 飛べばいいんだ あなたは懲りもせず 素数を数え続けては 時折偶数に瞠目して 修正ペンを探し出す 飛べばいいんだ 可笑しいのなら ここ以外の地へ 飛べばいいんだ あなたは相変…
1 十年に一度の寒波メイクして街を歩けば頬に立つ霜 2 霜柱踏んづけ歩く朝のみち遅刻のわけを誰も責めない 3 晴れた日にこそ降りる霜出会いとは別れの合図(認めたくない) 4 しもやけになるまで待っていてくれた改札口のきみ…
勝ち負けは二の次にして運動会 羽ばたきも鈴の音色よ小鳥来る 秋の蝶うつつと夢幻さすらうか 旅人の終着点か天の川 柘榴割る恋にやぶれた昼下がり
手かざしてひとり佇む望くだり 赤とんぼ子らの頭上に弧描いて 夜学してペン先夢に近づくか 影ひとつ夜風に揺れるすすきの穂 返せない手紙仕舞って秋風よ
1 カーディガン濡らす秋雨改札で二本の傘と待っていたきみ 2 水たまり輪っか浮かんで消えていくのを眺めてるきみを眺める 3 雨のこと悪天候というけれどそれならぼくは悪になりたい 4 ぼくはね、と言いかけたまま沈黙にふたり…
1 満月の下の問いかけくちびるは正答だけを避けて近づく 2 水槽を覗くふたりは寂しさが足し算できないことを知ってる 3 浴槽で金魚がひとりダンスするそう虚しさってこういう感じ 4 過去形にしたい痛みはきみのそれと同じ匂い…
あなたの右目はミラーボールで だからいつもくるくる回って ママのご機嫌を伺っている 新聞のラテ欄には 今日も悲しみばかりが システム化されて掲載されている 「大人になったらぁ」 ミラーボールが逆回転する 「音を立てて倒れ…
1 唯一になれなくなってそばにいるゆく夏の背に影を穿って 2 下を向く向日葵たちが淀みなく人間たちを睨みはじめる 3 上を向くだけが生き様ではないと晩夏の向日葵たちの遺言 4 のびすぎた前髪揺れるきみのことあなたって呼ぶ…