雁
いじわるだ くしゃみの数を指で折る 約束はしない孤雁の過ぎる影 愛もまた檻に化けるか青蜜柑 声がするほうを向いたら居待ち月 蜻蛉の儚い夢が永遠か
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いじわるだ くしゃみの数を指で折る 約束はしない孤雁の過ぎる影 愛もまた檻に化けるか青蜜柑 声がするほうを向いたら居待ち月 蜻蛉の儚い夢が永遠か
うずくまる影に隠れる彼岸花 ときめきは割れた栗たち破顔する 秋薔薇も僕も笑っていいですか かりがねを見送るだけの独り道 デートには死者に梔子の香水
しわくちゃの笑顔に結ぶななかまど 誰もみな孤独であるとカラス鳴く 蜘蛛の糸 夫婦の意味を問いかける ラグビーのルールを知らず酌み交わす 命日は忌念日らしい彼岸花
しっかりと暑さを惜しむ棒アイス 古本の隅に見つけた私の名 肉筆がむかしむかしのひとの癖 オルゴール僕を彼岸に導けよ プラタナス並木に落とす影ふたつ